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2018年2月21日 (水)

被災地を覚えて 生徒礼拝

被災地フィールド・スタディの経験を,生徒礼拝で生徒が話してくれました。

 そこに広がるのは、見覚えのないふるさとの風景。震災後のことです。その現実を前に、そこに暮らす方は、何を思ったのでしょう。もし、ある日突然に、自分の町から何もかもなくなってしまったら。

 被災地を訪れ、当時の状況、現状をうかがいました。うかがったお話しは、どれも胸を締めつけられるようなものでした。

 仙台から電車で30分くらい行ったことところにある海沿いの野蒜(のびる)という町や、石巻が津波で甚大な被害を受けた地域と知りながら、私は詳しいことはあまり分からない状態でした。実際に被災地を訪れると、今の野蒜は更地が多かったです。震災前、海沿いには松林があり、家や学校など、人々の生活の場がありました。震災の日の午前、近くの学校では卒業式が行われ、地震発生時は謝恩会の最中だったそうです。そこに大きな揺れがおそいました。そして、その地震によって起きた津波で、野蒜駅の線路は曲がり、松や建物は流されてしまいました。

 津波の高さを表示したものが何カ所かありました。その高さは、私の身長をはるかに越えるもので、津波の高さを数値だけで聞くより恐怖や自然の脅威を感じました。

石巻の日和山は、海へと続く街を見渡せる高台です。震災時、多くの人が避難してきた場所で、津波が町をのみ込んでいく様子を目の当たりにしたそうです。

 津波の被害にあってもなお、リフォームした家、建て替えた家を見かけました。津波で全てが流されても、記憶のどこかに暮らしてきた町の風景が残っていて、そこにとどまりたいという、ふるさとに対する親しみや強い思いを感じました。

 また、震災当時、身元不明の亡くなられた方を、自分の家族でないことを祈りながら、身元番号や身に着けていた服を確認したとうかがいました。私はとても辛く感じました。

 そういった状況の中でも、孤島となってしまった所に物資が届けられたり、おにぎりを分け合ったり、寒い中、水にぬれてしまった人の体をさすって温めたりしたことを聞きました。人々のその助け合いの中に、あたたかさを感じました。

 現在では、津波により家屋を流され、住む場所を失った人のために、高台に移設したり、山を開拓したりする計画があるそうです。しかし、立地の問題が生じ、完成が遅れ、入居を希望する人が減少する等の問題もあります。

また、表面的な復興がよく報道されていますが、実際には多くの人や物をなくしたために、内面的な復興にはいたっていません。「心の復興」という言葉を仙台に暮らす方から聞きました。それはとても時間のかかることで、非常に難しいことだと思います。

震災前、あたり前の生活がそこにありました。しかし、それは一瞬にして消え去ってしまいました。その悲しみや苦しみは、私の想像を越えるものです。ですが、被災された方々のことを忘れないように、記憶が風化されないように、私はこれからの避難訓練や、毎週の礼拝でのお祈りの言葉を大切にしていきたいです。

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