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2017年11月15日 (水)

今朝の礼拝

 横須賀学院中学校の礼拝は、先生たちが順番で様々なメッセージを生徒に送ります。

 今日は教頭先生のお話でした。以下にご紹介します。

……小学校の時、気がついたら友達関係の中で私はがんじがらめになっていて、学校は極度の緊張と不安の場となりました。学校にいるときには、私は8人ぐらいのグループのなかにいました。ところが、あれこれ親しく話しながら一緒に帰った友達が、翌日朝なぜか待ち合わせの場所にいない。暫く待って、仕方ないので一人で登校すると、その友達はもう来ている。どうしたのと声をかけようとした瞬間、その子はほかの子たちとすっと違う場所へ行って背を向ける。ああ、今日はこの1日になるのか…と思い私は真っ暗な気持ちで席に着く。

 

 こんなことが一週間の中に急に1日あったり、それが1週間続いたり。そして、ある日突然、まったくそれまでがなかったかのように親しく皆が話しかけてくる朝があって、休み時間も放課後も一緒に過ごすという日が1週間続いたり…そういう日々を親には絶対に知られたくなくて、家では自分なりに明るく振舞っていたそんな小学校時代。仮病を使って、というか本当に疲れてしまって具合が悪くもなって、学校はたくさん休みました。

 

  まるで はずれくじを引き当てたみたいに、順繰りに誰かが先ほどの私のような立場になりました。朝来て、それが自分ではなくほかの子になっていたと知ったとき、私は恥ずかしい話、心からホットしました。少なくても今日は平和に過ごせる。そして、自分以外の子の悪口を聞くと、ふーんそうなんだーと話を合わせるのです。そうやって一生懸命やるのに、でもまたある日突然それが自分に回ってきます。その雰囲気を作り出していた中心的な女の子がいて、他の全員は、その子の気分を害さないように気を付けつつ、私と同じように過ごしていたように思います。

 

 びくびくしながら、なるべく目立たないように、皆に好かれるようにと神経を使いながら過ごした小学校時代でした。今思えば、その中心なっていたという女の子も、そうやって自分自身の何かをかわしていたのかなあなどと考えられますが、当時の私にはとてもとてもそんなことまでは思いがめぐらずでした。

 

 もし、自分の小学校時代に、携帯やスマホがあって、メールがあって、さらにラインをすることになっていたとしたら、考えただけでもめまいがします。それらの機能を必要に応じて適正に使うなどということは、絶対にできなかったでしょう。今の皆さんにとっては、あるのが前提なのかもしれませんが、でももしかしたら今、強制的に一斉に皆から携帯を没収したら、かえってその方が気が楽だと思う人も少なくないのではないかなあと思うのですが、どうでしょう。

 

 昼間明るく親しく話していた友達が、SNSの世界では悪口を言ったり排除する方向の書き込みをしていたりするのを目にしたら、自分のことではなくても、たいていの人は人間不信になります。自分がどう思われているのかということに振り回されるようになる、自分が本当に思うことを言えなくなる。私の時代にはSNSの世界はなかったですが、あの小学校の頃、自分は完全に人が怖くなって、そして自分自身をも見失ったなと思っています。

 ずいぶん前ですが、担任していた中2のクラスで女子間のトラブルがありました。一人の少しわがままなところもある女子が、皆から外され、暫くして学校に来れなくなりました。私はクラスの皆とたくさんの話し合いや面談を行いました。

 その中で共通して語られたことが二つありました。主に男子からの意見でしたが「確かに今はずされている人は、その人自身にもよくない点があったとは思うけど、でも、それを理由に皆が仲間外れにすることは違うのではないか。女子って怖い」ということ。 そして女子たちからは「自分はそんなにその人と関係があるわけではないけれど、一緒にいる友だちがその人のことをすごく嫌っているから、自分もそうしないと今度は自分が嫌われると思って何も言えない」ということ。

 担任の私は、この2つが解決の糸口になるのではと思い、一生懸命話をしたりもしました。でも、事態は動きません。解決できません。

 

 放課後何度も話し合いを重ねましたが、その話し合いをいつもじっと聞いていただけの二人の女子がいました。でも、ある日の下校後、その2人は一緒にその子に電話をし、「明日はずっと私たち二人が一緒にいるから、だから学校においでよ。心配しなくて大丈夫だよ。朝も一緒に行こう」と伝えたのです。事態は動きました。どちらかといえばおとなしい二人の女子でしたが、二人は本当にその言葉通り毎日行動し、その後その3人は卒業まで、そして大人になっても大切な友人となりました。卒業して久しぶりに私がその3人とあったのは、その渦中だった女の子の結婚式でした。

 

 

 皆さんの中にも、メールやラインで、温かい言葉を送ってもらい、それが一筋の光になり、勇気を出して一歩踏み出せたということもあるでしょう。どんどん進歩している、どんどん便利になっている物にあふれた世界ですが、それをどう使うかということは、自分がどんな人間として、どういう風に他者と関わっていきたいのか、どんな人間になりたいのかということを表す、とっても大きなことなのだと思います。

 

 私が担任していた生徒たちから学んだことは、「自分が本当にそうした方がよいと思って踏み出すことは、助けようとする相手だけではなく、自分自身も自分らしく解放されることなのだ」

 「誰かがはずされる集団は、はずされていない人にも不幸な集団なのだ」ということでした。

 

 

 人は誰かとともに生きることなしには生きてはいけないです。必ず誰かに支えてもらい、そして誰かを支える力も持っています。それとともに、自分は誰とも同じではない、たった一人のかけがえのない自分であること、神様は等しく愛して下さっていることを忘れずにいたいです。

 

 自分を愛するように他者を愛すということの意味を、共に考えていきたいと思っています。

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